死者の街と呼ばれる辺境の地で、少年ウィルは三人の不死者(アンデッド)に育てられていた。愛情を一身に受け健やかに育つウィルだが、自分以外にこの地に住んでいる人間はいない。なぜ自分はここにいるのか、そして三人がひた隠しにする秘密とは何なのか。そんな疑問を抱くようになるが、彼自身にも秘密があり…。
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マリーの秘密を知ってから5年が経ち、ウィルは13歳になっていた。三人から教わる内容は日々高度になり、ウィルも負けじと食らいついていく。そんなある日、ブラッドの授業で廃墟都市の地下街から脱出するよう命じられる。必死に魔物を倒しながら出口を目指すウィルだが、異様な殺気を感じ足を止めると、そこにいたのは――
15歳になる成人の儀としてブラッドと真剣勝負をすることになったウィル。しかし、一方でその勝負に故意に負けてくれと頼むガス。廃墟都市でのガスの殺意の真意を確かめることができないまま、ウィルはブラッドとの試験へと向かうのだった。
突如現れた不死神スタグネイトはブラッドとマリーを連れ去ろうとするが、それを打ち払ったのはガスだった。しかし、安心したのも束の間、彼の胸を黒い靄が切り裂く。何もできずに立ちすくむウィルにスタグネイトは「お前のおかげだ」と不敵に笑い告げるのだった。
死の間際、ウィルはグレイスフィールに誓いを立て、再び立ち上がりスタグネイトに戦いを挑む。しかしスタグネイトはウィルを欺いて姿を消し、ブラッドとマリーを直接狙う。その意図に気付き急いで神殿に戻ったウィルが見たのは、今まさにスタグネイトが満身創痍の二人に手を伸ばそうとするところで……。
死者の街をあとにしたウィルは、まだ見ぬ外の世界へと旅に出る。何日も森の中を歩き、初めて出会った人間は、狩人でハーフエルフのメネルだった。彼と別れた後も同年代ぐらいの人間と話せた喜びをかみしめるウィル。しかし、その夜グレイスフィールからの啓示があり――
メネルの案内のもと、魔物に襲撃された村に行くことになったウィル。魔物の残党を討伐をするにつれ、村の惨劇が徐々に明らかになっていく。積み重なる死体に焼け落ちた家屋。そして、か細い声でメネルに声をかけてきたのは炎に焼かれ不死者(アンデッド)化した少年だった。
ウィルが死者の街を旅立ち、メネルと出会うまでの旅路をダイジェストでお届けいたします
悪魔(デーモン)に襲撃された村での出来事が落ち着いた後、ウィルとメネルは交易が盛んとされる「白帆の都(ホワイトセイルズ)」へと向かう。鬱蒼とした「獣の森(ビースト・ウッズ)」の中を進んでいると、突然悲鳴が聞こえる。駆けつけるとそこには巨人猿(ジャイアントエイプ)に襲われている二人がいた。
ビィとトニオと共に旅を進めるウィルたちは、いよいよ目的の「白帆の都(ホワイトセイルズ)」に到着する。初めて見る大きな街やそこで生活をする人々に感動するウィル。これまでの旅の疲れを癒していると、非常事態の鐘が鳴り響く。急いで外を見ると大きな黒い影が彼らの頭上を横切っていき――
「ワイバーン殺し」として領主であるエセルバルドと謁見することになったウィルは、多発する魔獣被害を無くすべく私兵を集めて動きたいと申し出る。あまりにも突飛な申し出に一度は威圧的な姿勢を見せるエセルだが、ウィルを見定め、それを許すことに。共に戦う仲間を探すため、冒険者が集う酒場へと向かう。
聖騎士(パラディン)として任命されたウィルは、集落の復興や魔物退治に務めていた。そんなある日、帰ってこない部隊を捜索するため、「つらぬき」の二つ名をもつレイストフやメネルと共に「獣の森(ビーストウッズ)」へ。ちらばる遺体に異変を感じ、奥の谷間へと進んでくが…。
魔獣たちの罠にハマり、敗走したウィルたち。大怪我をおったメネルをみたウィルは、仲間を無意識に危険な目に合わせていたことを痛感し、周囲と自分のあまりに大きな実力差を思い知る。一人で魔獣を倒しに行くというウィルの前に立ちふさがるのは、怒りをあらわにしたメネルだった。
これまでに各所で起きていた災いは、ドワーフの国があった鉄錆山脈に原因があることが発覚し、それを突き止めるため引き続き調査を進めるウィルとメネル。ある日、2人が日課の鍛錬をしていると、1人のドワーフが草陰に隠れてその様子を見ていた。興味があるのかとウィルが声をかけると、そのドワーフはおどおどした様子で足早に逃げて行ってしまうのだった。
竜を討ちに行く決意を胸に、「灯火の河港(トーチ・ポート)」を出発し、鉄錆山脈へと向かうウィルたち。ウィルはデーモンたちの裏をかくために川の支流を上って山脈の裏側から侵入することに。その道中、故郷である死者の街に立ち寄ることとなったウィルは、二年越しのガスとの再会に胸を弾ませるが……?
ブラッドが遺した英雄たちの装備を得て、束の間の休息をとった一行。竜を討ちに向かおうとするウィルにガスは逃げてもよいと語り掛けるが、ウィルは首を縦に振らず、既に覚悟を決めていることを伝える。その決心を聞いたガスは、ヴァラキアカとの戦いについて助言をし、彼らを送り出すのだった。
ようやくヴァラキアカの元にたどり着いた一行は、圧倒的な力を前に死闘の覚悟を決める。しかしヴァラキアカから、戦わずに自分をしもべにしないかと持ち掛けられる。思いもよらぬ提案にウィルは混乱するが、ヴァラキアカは更に追い打ちをかけるかのように頭を垂れ、笑うのだった――
ヴァラキアカとの激しい戦いの末、追い込まれたウィル。愛槍は折れ、魔剣も封じられ、グレイスフィールの結界も砕かれた彼の前に現れたのは、不死神スタグネイトだった。スタグネイトは、かつてくろがねの国で戦ったドワーフの戦士たちを蘇らせ、グレイスフィールは魂の輪廻へと返れぬ戦士たちを”勇気”としてウィルたちの胸に灯した。再び立ち上がったウィルたちは決意を新たに、最強の敵――ヴァラキアカに挑む!
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