汎銀河大戦停戦後、地球軍の駐屯する火星にて。軍の基地で働く若者グラムは他の火星の人々同様に、明日の見えないその日暮らしの毎日を過ごしていた。そんな彼の日常を打ち破るかのようにアデナの軍倉庫を狙って、海賊“夜明けの船”がやってくる。それを迎え撃つ地球軍のＲＢ（ラウンドバックラー）部隊。その中には、数年ぶりに火星に戻ってきたベスの姿があった。夜明けの船と地球軍の戦いにまきこまれてしまい、ピンチになるグラム。そのとき彼の前に一体のＲＢが現れた…。

公開処刑までの時間を監獄の中で過ごす夜明けの船の面々。グラムはそんな彼らをなんとか救出する手だてを考えながら地球軍の本部都市船で身を潜めていた。そんなグラムの目に、ＴＶに映ったエノラの姿が飛び込んでくる。緊急に開かれた記者会見の場で、グラムにあてたベスからのメッセージを告げる地球大統領の孫娘エノラ。そのメッセージの隠された意味を理解したグラムは……。

地球軍によって夜明けの船に取り付けられた爆弾が爆発する。大きな水柱が消えたとき、夜明けの船、そして、直前まで爆弾を取り外そうとしていた希望号の姿は跡形もなかった。一歩一歩処刑台の上を進んでいく囚われの身のエリザベス。そしてその姿を沈痛な面持ちで見守る夜明けの船の海賊たち。その頃アデナでは、そのＴＶ中継された公開処刑をボンとシエの幼いまなこが懸命に見つめていた……。