矢三郎が弁天から借り受けた空飛ぶ奥座敷。空へと舞い上がった奥座敷で五山の送り火を楽しむ納涼会が始まった。上座に座る赤玉先生。亡き父、総一郎に倣って矢一郞は布袋の姿に化けている。そしていつも通りの矢三郎と、はしゃいで濡れ縁をうろうろする矢四郎。それを見守る母。そこに大型船に乗った夷川家がやってきた。夏の夜空に一触即発の緊張感が漂う。
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狸界の頭領・偽右衛門が決まる日がやってきた。奇しくも偽右衛門だった矢三郎たちの父・総一郎の命日であり、毎年狸鍋が振る舞われる金曜倶楽部の忘年会当日でもある。偉大な父の跡目を継ごうと奮闘する矢一郎と、策謀を巡らせる早雲のどちらが偽右衛門となるのか。祝勝会の準備を整え、朗報を待つ下鴨家に、突如暗雲が立ち込める。
父・総一郎が狸鍋となった真相を知った矢三郎だったが、そのとき既に、張り巡らされた陰謀により矢一郎と母は囚われの身となっており、包囲網は矢三郎にも迫っていた。弁天のおかげでなんとか窮地を脱した矢三郎は、二人を救うために行動を始めるが、それは矢三郎をさらなる窮地へと追い込むことになってしまう。一方、金曜倶楽部では、着々と忘年会恒例の狸鍋の準備が進んでいた。どうなる下鴨家!
矢四郎は、海星から家族の危機を知らされるが、為す術もない。土砂降りの雨の中、たった一人残された矢四郎の脳裏に響くのは、金閣の「あんなやつ、放っておけばいい。なんの役に立たないもの」という言葉。意を決して駆け出した矢四郎が向かったのは、蛙となった兄・矢二郎がいる六道珍皇寺。一方、金閣・銀閣の罠に陥った矢三郎は檻の中で尾羽打ち枯らしていた。絶体絶命の矢三郎に起死回生の策はあるか!
仙酔楼の座敷では金曜倶楽部による狸鍋の準備が整い、檻に入れられた狸が運ばれていく。一方、別の座敷では狸の頭領・偽右衛門を決める会議が開かれ、居並ぶ狸たちを前に罠を脱した矢一郞と早雲が正面から衝突していた。ふてぶてしい態度を崩さない早雲に、ついに矢一郎の堪忍袋の緒が切れる。狸と天狗と人間の三つ巴で繰り広げられる波乱万丈の物語、その結末やいかに!
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