鈴村健一 : Sokabe (voice) 役
エピソード 26
何でこんなことになったんだ。僕は悪くないのに
夜の闇に紛れ、逃げ続ける圭。山合の車道にはほとんど車も通らず、彼らは順調に逃げ続ける。圭の脳裏には、携帯電話で見た映像――どこかの研究所で亜人らしき人物が拷問を受け、殺される光景が甦っていた。「もし捕まったら、きっと本当に不死身かどうか確かめられる。何度も何度も殺される。それだけは嫌だ!」圭の家の前では警察が立ち入り禁止線を張り、捜査本部を立ち上げていた。そこへ一台の車が止まり、中から一組の男女が降りてくる。男の名は戸崎。厚生労働省から派遣された、亜人関連部門の実質的トップだった。
もっと読むもうダメじゃないかな?
圭が亜人であったという情報は、テレビやインターネットを通じ、世界中に広まっていた。圭が身元不明の協力者と逃げ続けていること、亜人を捕まえれば大金をもらえるらしいことも、同時に報道されていた。圭の自宅には、亜人管理委員会のトップである戸崎が秘書の泉を伴って訪れていた。訪問の目的は、圭を捕らえるためのヒントを得ることだったが……。そのころ、圭はまだ山道を逃げ続けていた。だが、次第に空が白み始め、このままバイクで逃げ続けるには限界が近付いていた……!
もっと読む君は黒い幽霊を見たことがあるか?
永井慧理子の病室に侵入した黒い幽霊は、部屋にいた人々を切り裂いた。その様を見た慧理子はショックのあまり気を失い、ベッドに倒れ込む。病院の中庭では、田中が高笑いしていた。病室に黒い幽霊を送り込んだのは田中だった。彼は佐藤からある指示を受けていた……。一方、圭もまた、黒い幽霊と向き合っていた。彼はそれが黒い幽霊、もしくは別種の力と呼ばれている物だとは知らなかったが、幻覚などではないことは分かっていた。だが、今の彼にはそれよりももっと重要な、解決するべき差し迫った問題があった……。
もっと読むいざとなったら助けを求める最低なクズ
県警本部の荒木は携帯の発信源を元に、圭が潜伏していると思われる場所を特定。多数の警官隊を率い、現場に駆けつける。彼らの手には戸崎の指示で支給された、対亜人用の武器があった。警官たちは使い慣れぬその武器を構えながら、圭に気づかれぬよう現場を包囲する……。数時間後、撃たれた圭はようやく目を覚ます。その視界に映ったものとは……。佐藤に“不合格”と言われた圭。彼が口にした“教育”という言葉の意味が明かされる。
もっと読む待て、もう一度話し合おう
佐藤の犯行予告を受け、マスコミ各社は連日、亜人関連の情報を流し続けていた。それによると、テロが決行されるのは10日後の水曜、午後3時。目標は、グラント製薬本社ビル。「衝戟に備えろ」という佐藤のセリフは、各種媒体で何度も再生された。警視庁と亜人管理委員会は、テロを未然に防ぐため総力を挙げて対策に乗り出していたが、佐藤の手がかりどころか、アップロードされた動画の発信元すら特定できずにいた。一方、追っ手を撒いた攻は、電車内から見えたある物を捜して、駅に来ていた……。
もっと読む発生と同時に崩壊が始まっている
佐藤たち亜人は、製薬会社襲撃の準備を着々と進めていた。彼らが新たに拠点に選んだのは、閉鎖され、放置された町工場だった。その埃っぽい室内で、佐藤はある場所の地図を見せ、「我々の手で地図を書き換えようじゃないか」と宣言する。同じころ、監禁状態にあったオグラ博士は、念願のFKを手に入れ、至福の時を過ごしていた。満足そうな表情を浮かべ、煙を吐き出すオグラに、戸崎は亜人に関するデータをすべて提供するよう求める。彼はオグラの話を元に、今回のテロ対策を立てようと考えていたが……。
もっと読むさあ、ショウタイムだ
佐藤の出した犯行予告の日まで、あと2日。圭はいつものように山中さんと食卓を囲んでいた。テレビには、グラント製薬ビルの襲撃予告に対する警備の様子が映し出されていた。それを見た圭は、山中さんにあることを「お願い」する。一方、佐藤たちは2台の車に分かれ、とある場所へと来ていた。奥山ら3人が乗った車は目的地の地下へ、佐藤と田中は道路脇のパーキングに停車する。車から降りた奥山は高橋とゲンに荷物を降ろさせると、佐藤に連絡を取り……。
もっと読む佐藤さん、あんたのせいでメチャクチャだ
佐藤対SATの戦いは、テレビ中継や、佐藤の身につけたウェブカメラを通じ、全世界に発信された。凄惨な現場を目撃した国民の非難は、亜人と共に、テロ対策を怠ったグラント製薬にも向けられた。マスコミは、警察が近く亜人の捕獲に1億円の懸賞金を出すのではないかと騒ぎ立てた。情報の提供を求めている亜人の中には、永井圭の名前もあった。そのニュースは山奥のひなびた農村にも届き……?一方、戸崎たち亜人管理委員は、逃げたテロリストの情報が一切つかめず、あせっていた……。
もっと読むIntermission
本編から離れた非戦闘時における登場人物の行状を若干コミカルに描く。
もっと読むなんかめんどくさくなってきた
佐藤の凶行を許し、永井圭と中野攻にも逃げられた戸崎。亜人管理委員会から呼び出された彼は、後輩である曽我部に迎えられる。泉と共にヘリコプターから降り立った戸崎に、曽我部は「先輩は亜人管理委員会から除名されます」と告げる。だが、その指令は直前で撤回されていた。佐藤の新たなテロ計画・第2ウェーブの予告が出されたためだった。第2ウェーブのテーマは『浄化』。田中が拘束中に見聞きした、15名の亜人管理委員会及びその運営に関わった利権を持つ者たちを殺害する。戸崎は管理委員会からその阻止を命じられるが……。
もっと読むどいつもこいつもバカばっかりだ
「そしてこれが――カウントダウン開始の合図だ」若井が射殺された。佐藤の暗殺リストトップに名前が挙がっていた男だ。若井の死と同時に、佐藤が言うところの第2ウェーブが開始された。そして、これは続く第3ウェーブ――最終ウェーブの始まりでもあった。佐藤の次のターゲットは桜井和夫という男だった。佐藤らはアジトとして使用している町工場へ戻ると、早くも次の作戦の準備を始める。薄暗い室内で、顔型の石膏に粘土を盛るゲン。同じ室内で、フォームラテックスの溶剤を混ぜる高橋。果たして彼らの次の計画とは……。
もっと読むクロちゃん、もう一度だけ
戸崎を乗せ、走り去る車を見た泉は、単独でアルメイダらを追う。しかし、彼らを止めることはできず、アルメイダたちは米国大使館へと向かう。大使館に逃げ込まれたら戸崎の救出は絶望的になる。圭はIBMを使い、彼らの車を追撃。IBMは建ち並ぶ住宅街を疾走し、アルメイダの車を捕捉する。圭はその動きを冷静に観察し……。そのころ、都内の高級レストランには、厚生労働大臣が姿を見せていた。絶対に漏れないはずの大臣のスケジュール。だが、佐藤たちは大臣の予定を正確に掴んでいた。
もっと読むこの国ちょっと大変なことになるから
「残るターゲットはひとり。武蔵重工の橋口会長だ。取締役会が開かれる3日後の19時、殺しに行くよ」佐藤が出した犯行日時指定の声明。メンツを潰された日本政府は、ついに最後のカードを切る。亜人制圧に特化した部隊――対亜人特選群の正式投入を決定したのだ。彼らは戦闘のプロフェッショナルであるだけでなく、武蔵重工が開発した特殊な武器を貸与されていた。瞬時に網膜を損傷させるレーザー。威力を上げたワイヤレス・テーザー・ガン。IBM対策の小型インパルス放水銃など……。多彩な武器を手に、亜人の捕獲に向かうが……?
もっと読む邪魔してるのはあんたの方だろ
「ここからは――火と刃物だけの、原始的な戦いだ」武蔵重工に突っこんだトラック。その荷台にはEMP――爆薬発電機が積まれていた。すべての電子機器が使用不能となり、警戒に当たっていた機動隊員はパニックに陥る。すでに準備を整えていた対亜隊員たちは、最新装備を捨て、通常兵器で侵入した亜人たちと戦い始める。ビル内に潜伏していた圭たちも、暗闇の中で孤立する。だが、圭は「この状況は逆にチャンスです」と言い切り、IBMを発生させる。圭が目を付けたのは、エレベータシャフトだった……。
もっと読むこれじゃホントに戦争じゃないすか
「1週間後の午後12時までに、日本を明け渡してほしい」佐藤の突拍子もない要求に、すでに緊急事態宣言を発令していた政府は、改めて「国家の危機である」との声明を発表する。 戸崎は亜人対策の専門家として佐藤を阻止しようと動くが、肝心の圭が戦う気力をなくしていた。陸上自衛隊も、人質と化学兵器を押さえられた状況ではヘタに手を出せず、ただ司令塔を包囲し、狙撃犯を待機させただけだった。 そのころ、圭の妹・慧理子は、入院先から母親に電話をかけていた。病院内にも不安が広がっていたが……。
もっと読むでもまあ、面白そうだからいいけどね
佐藤が放ったミサイルは、首相官邸付近に着弾した。佐藤には日本政府と交渉する気など最初からなかった。そのことに気づいた奥山たちは佐藤から離れ、戸崎に連絡を取る。自衛隊駐屯地に潜入した米軍は、佐藤のトラップにかかりながらも、神経ガスを積んだミサイルの撤去に取りかかる。続いて、探索班が地下の配管施設で佐藤の逃走経路捜索に入る。彼らはそのまま佐藤追跡に移ろうとするが、ペンタゴンからの指令により断念する。米軍のさらなる計画を知ったコウマ陸佐は激怒するが、日本政府に拒否権はなかった。
もっと読む僕も約束しますよ、佐藤さん
「佐藤さん、みんな…、あんたの遊びに付き合うのには…もううんざりしてるんですよ!」起爆装置を押す圭。佐藤と田中の周囲や頭上で、爆発が起こる。大量の瓦礫に押しつぶされる2人。が、次の瞬間、佐藤も起爆装置を作動。圭たちの足元が崩れ、佐藤もろとも巨大な地下壕へと落とされる。次に目を覚ましたとき、佐藤と同じ空間にいたのは泉と戸崎だった。圭たちは、2人の救出に向かうが……。またしても作戦の裏をかかれた圭。計画の失敗が招くものとは……。米軍による神経ガス散布が迫るなか、圭たちは佐藤に最後の戦いを挑む……!
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