このまま部員が5人集まらなければ、箏曲部は廃部になってしまう。さとわは、なぜか愛を慕っている3バカこと、サネ・みっつ・コータを人数合わせのためだけに声をかける。しかし裏目に出てしまい――。箏曲部を潰そうとする教頭。それを阻止しようと、さとわの出した提案に、武蔵は度肝を抜かれる。そんな中、さとわはことあるごとに愛とぶつかって……。
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愛の過去を知ったさとわは呆然、動揺のあまり愛の前で涙を見せてしまうのだが……。そしてついに全校生徒の前で『龍星群』を演奏する日がやってきた。しかし生徒たちは全くの無関心。ろくに聞く気がないばかりかヤジを飛ばしたりバカにして笑ったり。それでも真っ直ぐに自分たちの決意を告げる武蔵、心を一つにする部員たち。箏の音が、愛の想いが、体育館に響き渡る! 大事なものを守り、届けるために――
見事に『龍星群』を弾き切り、部の存続を勝ち取った箏曲部。盛り上がる部員たちに、武蔵は改めてある提案をする。また愛はシズに一人だけ仁科楽器へ呼ばれて――。すっかり箏曲部に対する周囲の見る目も変わり、これで安泰……と思いきや。今まで姿を見せなかった顧問が急に現れたり、何か企んでいる新入部員がやってきたり、せっかくまとまった箏曲部にまたひと波乱が…!?
体調を崩して休んださとわにプリントを届けに行った愛。しかし住所のメモを頼りにたどり着いたのは、どういう訳かオンボロアパートだった。熱にうなされ過去を夢にみるさとわ。愛する母のため、箏に打ち込んでも打ち込んでも、すれ違い遠ざかる親子の距離……当時のさとわは一縷の望みを託し、一か八か行動に出たのだが――。一方、箏曲部をバラバラにしようと目論む妃呂は、さとわの秘密を皆に暴露しようとする。
改めて妃呂を部員として迎え7人となった時瀬高校箏曲部は、古典『六段の調』に挑む。“自分なりの六段”“今の自分たちのゴール”とは何か――それぞれに悩む愛と3バカ、武蔵。大事なものを掴んで少しずつ前へ進む箏曲部が次に目指すのは、関東邦楽祭への出場だ。部⻑として忙しい日々を過ごす武蔵だが、ずっと心の奥にしまい込んでいたわだかまりを、ことあるごとに少しずつ感じるようになっていて......。
苦手だった裏拍のリズムの取り方を滝浪に教えられ、懸命に練習するコータ。武蔵とのかけ合いが上手くいかない愛も、滝浪にアドバイスを求める。滝浪の一見いい加減としか思えない答えに武蔵は呆れるが、愛は何かを掴んだようで――。ずっと曲想に悩んでいたさとわも、仲間たちに意見を聞いて気付きを得る。合宿を通じて成長した7人。いよいよ大会当日、時瀬高校箏曲部はライバルたちの集う邦楽祭の会場へ!
邦楽祭のトップバッターをつとめた明陵。桜介の演奏に圧倒される愛たち。かずさたち姫坂、新たに出会ったライバル校、次々と素晴らしい演奏が続き、緊張をつのらせる妃呂。一方、哲生と共に会場へ来ていた衣咲の口から、思いがけず滝浪の素性が明らかに…!?そんなことは露知らず、順番が近付いてきた時瀬高校箏曲部は演奏の準備へと向かう。ところがそこでアクシデントが――
倒れた箏からさとわを庇った愛は、本番を前に手を痛めてしまう。それに気付いた滝浪は出場禁止を言い渡すが、愛は……。部員で唯一そのことを知ってしまった武蔵は、どうするべきかと悩む。愛の悲痛なまでの想い、そして武蔵の出した結論とは。ライバルや応援してくれる人たち、観客が見守る中、ついに時瀬高校箏曲部の順番がやってくる。
邦楽祭の結果を受け、全国への思いを新たにした箏曲部。滝浪は皆に場数を踏ませるべく、学祭で演奏をするように言う。そのためにも夏休みの課題をきちんとやれ、と釘を刺された愛たちは勉強会をすることに。愛と3バカの成績に不安を感じる武蔵。だが、本人たちは『秘密兵器』があるとなぜか余裕で……。新学期になると各クラスでも学祭の準備が始まって、どこかお祭りムード。そんな中、さとわと愛、妃呂と武蔵、それぞれに思わぬハプニングが!?
学祭に向けて練習する部員たち。しかし、事故で思いがけずキスをしてしまった愛とさとわはお互い気まずくギクシャク。武蔵への気持ちを意識した妃呂も集中できない。迎えた学祭当日、時瀬箏曲部の元部長、真白が武蔵に会いにやってくる。親しげな二人の様子を見てショックを受ける妃呂。一方、愛たち一年生のメンバーは、全国予選のための曲を探している滝浪から偶然、ある事実を聞かされる――。
晶の指導のもと、少しずつ手応えを感じ始めている部員たち。だが愛は滝浪に言われた『自分の音の意味と役割』が見つからず、焦りをつのらせ無茶をして練習にのめり込む。それに気付いて止めようとする武蔵と、お互いを思うが故にぶつかる愛。しかしそのおかげで愛は、祖父のある言葉を思い出し――。一方、『鳳月会』では堂島が、不穏な動きを見せていた。さとわ不在の鳳月会で一体何が……!?
大会当日の朝。愛、武蔵、姫坂のかずさや珀音の澪も、それぞれ家族や仲間と過ごし、譲れない想いを抱いて会場へと向かう。待ち合わせ場所に集った時瀬箏曲部の皆に、さとわはある物を渡す。受け取った愛は思わず胸が一杯に。会場に到着し、顔を合わせるライバルたち。誰しも本気だが、この中で全国へ行けるのはたった一校のみ……。積み重ねた音の数だけ負けられない理由がある。いざ、神奈川県予選大会、開幕!!
邦楽祭では明陵と並ぶ最優秀賞に選ばれた澪たち珀音高校。その曲を生み出したのは珀音の顧問、山本であった。ひょんなことから箏曲の世界にのめり込んだ山本と、類まれな才能を持ちながら自分の音はつまらないと嫌い絶望すら感じている澪。二人の出会いと交わした約束。声と心を一つにして順番を待つ時瀬箏曲部の前で、ついに珀音高校の演奏が始まる。澪が奏でる、正解を越えた音とは――。
『天泣』の演奏後、ついに向き合った、さとわと母親の千春。今度こそ、さとわの音は届いたのか――。まれにみるハイレベルな戦いになった神奈川県予選大会。方向性は違えど、互いに全てを注いで演奏した、姫坂、珀音、時瀬。素晴らしい演奏により、審査員の間でも意見が割れ、審査は大いに難攻する。ついに結果発表の時……全国への切符を手にしたのは!?喜びと痛みとともに、それぞれの新たなスタート。
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