その闘いは、時を超え、場所を変え、歴史の陰で絶え間なく続いていた。
翼手──異形の姿を持ちつつ人に擬態し、決して人間に気付かれることなく血を
喰らう生きもの。
翼手を追い、それを殲滅するため闘いを続ける謎の組織、──「赤い盾」。
時代の中で、人々の闇を巻き込み、闘いはさらなる大きなものへと成長し続けた。
─そして2005年、沖縄。
この地に暮らす高校生、音無小夜は暖かい家族と平和な毎日をおくっていた。
彼女に足りないものはただひとつ――1年以上前の記憶だけだった。
しかし、平凡な暮らしはひとつの事件によってもろくも崩れ始める。
倒すべき敵、果たすべき使命が闘いの渦に彼女を引き戻す。
漆黒の服を身に纏い、チェロを奏でる青年、ハジ。
運命を共にするハジから渡される刀を少女が手にしたとき、ついに歴史が動き始める。
小夜は、失われた記憶、自分の存在を取り戻すことはできるのか。
時は戦国。
醍醐の国の主である景光は、ある寺のお堂で十二体の鬼神像に領土の繁栄を願い出た。
それと引き換えに生まれた景光の世継ぎは身体のあちこちが欠けており、忌み子としてそのまま川に流され、捨てられてしまう。
時は流れ、鬼神は景光との約定を果たし、国には平安が訪れた。
そんなある日〝どろろ〟という幼い盗賊は、ある男に出会う。
それは、鬼か人か
両腕に刀を仕込む全身作り物の男〝百鬼丸〟は、その見えない瞳で襲い来る化け物を見据えていた。
聖マルグリット学園の図書館塔の上、緑に覆われたその部屋で、妖精のような少女――ヴィクトリカは待っている。自らの退屈を満たしてくれるような、世界の混沌を――。そして一人の少年を――。二人の出会いが、全ての始まり。その物語、GOSICK。
舞台は、埋立地に作られた街・洲籠市。かつては未来型都市として栄えたこの街に住む高校生・阿形勝平は、なぜか痛みを感じない不思議な身体を持っていた。夏休み目前となったある日、勝平は謎の少女・園崎法子の手引きにより、痛みを共有する仲間「キズナイーバー」の一人に選ばれてしまう。そして、同様に「キズナイーバー」として繋がれたクラスメイトたち。しかし、彼らは本来なら仲良くなることのない別々のグループに属していた。園崎は言う。「これは、争いに満ちた世界を平和に導くための実験なのです。」その言葉とともに数々の試練が彼らに降りかかる。互いの傷を背負うことになった、少年少女たちのひと夏の物語がここから始まる!
伝説の刀鍜治、四季崎記紀がその人生を賭けて鍛えた十二本の“刀”を求め、無刀の剣士・鑢七花と美貌の奇策士・とがめが征く!