小さい頃から妖怪を見ることができた少年・夏目貴志は、祖母レイコの遺産「友人帳」を受け継ぎ、自称用心棒のニャンコ先生と共に、そこに名を縛られた妖怪たちに名を返す日々を送る。妖と、そこに関わる人との触れ合いを通して、自分の進むべき道を模索し始めた夏目は、想いを共有できる友人たちにも助けられながら、大切な日々を守るすべを見つけていこうとする。
「蟲」それは動物でも植物でもない、生命の原生体。本来棲む世を隔てたヒトと蟲とが重なる時、人智を超えた妖しき現象がうまれ、ヒトは初めてその存在を知る。すべての生命は、他をおびやかすために在るのではない。ただ、それぞれが在るように在るだけ―。
黒いジャージにスカーフ姿の“夜ト”は、祀られる社の一つもない貧乏でマイナーな神様。自分の社を築くべく、自分の携帯番号を街なかやトイレの壁に書き込み、賽銭〈5円〉で人助けをする、自称“デリバリーゴッド”である。良家の令嬢・壱岐ひよりは、交通事故に遭いそうになった夜トを助けようとして、代わりに自分が交通事故に巻き込まれてしまう。それがきっかけで“半妖(魂が抜けやすい体質)”となったひよりは、その体質を治してもらうために夜トを追いかけ、次第に行動を共にするようになる。さらに、夜トに拾われ、神様が使う道具“神器”となった少年“雪音”も仲間に加わり、人間に害を与える“妖”と戦いを繰り広げる一方で、夜トの秘められた過去が紐とかれていく。
「渋谷サイキック・リサーチ(SPR)」とは、渋谷一也(通称ナル)が所長を務める心霊現象調査事務所。依頼人から持ち込まれた心霊現象を科学的に調査している。
高校生の谷山麻衣はある日、ナルの助手のリンに怪我をさせたことがきっかけでナルと知り合い、SPRでアルバイトをすることに。
怨霊、祟り、幽霊、呪い……、相次ぐ事件をSPRのメンバーと、僧、エクソシスト、霊媒、巫女ら霊能者たちが解明する本格ミステリーホラー。
地区展に出品するため、切り倒されたご神木から木彫りの精霊像を作り終えた美術部員の御厨仁。すると、その精霊像が割れ、中から女の子が現れる。彼女の名前はナギ。彼女は、仁が彫った精霊像を依代として顕現した、産土神だという。仁は自らを神様と名乗る高飛車な性格のナギと一緒に生活することになってしまう……。
とある町の小さな稲荷神社を舞台に、神社の十五代目跡取・冴木まことと、神使の狐・銀太郎の2人が中心となって、神社や神々にまつわる存在を中心とした日常と、それらの出来事を通じてまこと達が成長する姿を描く話である。
俵宗太は、東京在住のウェブデザイナー。父親の死をきっかけに故郷に帰った宗太は実家のうどん屋で、釜の中で眠りこける子どもを見つける。一見ふつうの人間の子どものように見えるが、実はその子は人間の姿に化けたタヌキだった!?ゆったりと時間が流れる通称“うどん県”こと香川県を舞台に、やさしくてあたたかい、ちょっと変わった家族の物語が始まる――。
京都伏見に暮らす女子中学生・伏見いなりは、クラスメイトの丹波橋くんに片思いをする少し内気な女の子。ある日、助けた子狐の恩返しとして「おいなりさん」こと宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)から手違いで変身能力を授かってしまい・・・!?変身能力を手に入れたいなりが、京都を舞台に繰り広げる波乱万丈恋模様!恋に友情に悩みながらも成長していく少女のまっすぐな姿に胸打たれる、青春の全てがつまった作品です。
心地よい自然が残り、ゆるやかな時が流れる瀬戸内の町。主人公、一橋ゆりえは普通の中学生。彼女は、ある日突然ひょんなことから神様になってしまった!!人は予想もできない大きな力を手に入れたらどうするのだろう。でも、大切なことは一生懸命がんばること。
あったかくて、そして楽しくて。みんなが持ってた大切なものがきっと見つかる。
元映画女優である美波絹子の妹・加菜子が何者かにさらわれた。その背景には、八王子で起こった連続バラバラ殺人事件と、「御筥様」を祀る宗教の奇妙な噂、箱型の建物とのつながりがあった。小説家の関口、刑事の木場、探偵の榎木津、そして憑き物落としの京極堂らが事件を追う……。