シーズン1 (2020)
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エピソード 13
桜の森の満開の下 前編
本の中に入り込み、侵蝕者により自著の中に囚われた作者を救う“潜書”ができるのは、アルケミストによって転生させられた文豪のみだ。坂口安吾の『桜の森の満開の下』に潜書していた織田作之助が、大怪我を負って帰還した。傷がひどく、再び本の中に戻ることが困難な織田に代わり、芥川龍之介、そして坂口、織田と同じ“無頼派”である太宰が潜書に行くと申し出る。無事潜書できたふたりは、それぞれ美しい女性に遭遇するのだった。一方、なんとか起き上がった織田は、「今の安吾は危険すぎる」と、芥川と太宰を案ずる。
もっと読む桜の森の満開の下 後編
「大切な女房が首をほしがっているから……」と、太宰の目の前で美女の首を斬り落とした坂口。その姿は、作中に登場する“山賊の男”そのものだった。坂口は太刀を振りかぶり、太宰をも斬ろうとするが、既のところで芥川が助けに入る。その後しばらく、山賊と化した坂口とその女房の様子を偵察していた芥川と太宰。物語を正しく完遂させて侵蝕者を消滅するために、ふたりは物語を強制的に動かすことを決意し、ある行動に出るのだった。そのころ図書館では、再び潜書しようとしていた織田が「坂口があの本の囚われているのは、たぶん自分と太宰のせいや」と、中原中也に語る。
もっと読むHowl at the Moon
ヨージはある日、バスの中で遭遇した美しい少年・ハルカに心惹かれる。ハルカが読んでいた『斜陽』に興味を持ったヨージが、書店で探していると、どこからともなく本の作者や在り処をガイドする声が聞こえてくる。ヨージは文豪の姿と声を見聞きできる少年だったのだ。ハルカと親交を深めるために本を読み始めたヨージだが、徐々に文学に魅了されていく。しかしある日、大好きだった本たちが突如消え失せてしまう。消失したものが何だったのかも思い出せず、ただ喪失感で苦しむヨージは、ハルカに連絡を取ろうとするが……。
もっと読む歯車 前編
これは芥川が転生する前の話――。人々の期待に応えるため、常に自分を責め、その命と精神を削って物語を紡ぎ出していた芥川には、自分のことを肯定してくれる友人が必要だった。「最近、歯車が見えるんだ」――どんなに苦しくても書くことから逃れられない芥川は、”彼”にそうつぶやく。さらに芥川は、”彼”に哀しい頼み事をするのだった……。芥川の死によって、小説に憎悪を抱くようになった”彼”は、侵蝕者につけ入る隙を与えてしまう。 芥川の著作は侵蝕が進み、最後に残るは遺作の『歯車』のみ。彼が本で綴った想いを守るため、太宰をはじめとした文豪たちは『歯車』への潜書を試みる。
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