春休み。光一は気になる女の子がいるものの誘う勇気もなく、家で1人くつろいでいた。そこに突然来訪する美少女。我が者顔で家に上がりシャワーを浴び始めた彼女は、2年ぶりにフランスから帰ってきた幼馴染みの水澤摩央だという。ビン底眼鏡で受験の鬼だった摩央しか知らない光一は、その変貌ぶりに唖然として…。

孤独な天才少女・二見瑛理子からいきなりキスされた一輝。一方、放課後、摩央はクラスメイトの甲斐が演奏するサックスの音色に気づく。そして、ミュージシャンになるため、受験に興味はないと言う甲斐に共感する摩央。その夜、1年から同じクラスだった星乃結美という少女を光一が気になっていることに気づいた摩央は…。

ある日、一輝の妹・菜々からカラオケボックスで自分の歓迎会を開くことを提案された摩央。その割引に必要な人数を集めるために光一が想いを寄せる結美などを誘い、カラオケに来た摩央たち。楽しい時間も終わり店を出た摩央は、光一に結美を送らせる。その帰宅途中、摩央はジャズバーの開店準備をする甲斐に気づき…。

カラオケから一ヶ月。結美と進展のない中、映研で次回作のシナリオを任された光一は、意を決して結美に話かける。一方、サッカー部一の実力者・咲野明日夏は、一輝にディフェンスの才能を見い出し練習相手にしていた。だが、練習嫌いの一輝に苛立つ明日夏。そんな時、一輝は公式試合に出られない彼女の悔しさを知り…。

摩央をデートに誘う甲斐。約束通り受験の話はなく、音楽の話題などで盛り上がる2人。摩央もまんざらではないようだ。そして、瑛理子のことが気になる一輝。だが、「実験」は瑛理子から中止の宣告をされていた。昔から中途半端で「その一歩」が踏み出せない一輝だったが、摩央や光一との思い出がある決意をさせて…。

再開された一輝と瑛理子の「実験」。また、明日夏とも仲直りした一輝。だが、明日夏に退部の危機が！ 勉強が苦手なために中間テストで赤点を取ると部活停止になってしまうという明日夏。一方、高校受験失敗の反動で勉強嫌いになった摩央。そんな彼女たちのために、一輝と光一は図書室での勉強会を提案するが…。

中間テストは無事終了。なるみの実家のうどん屋「里なか」をたまり場に映画研究部の活動も再開した。学園祭で上映する映画のあらすじは、光一と結美で組み上げた恋愛ストーリーに決定する。しかし、摩央や菜々たちをはじめ、誰もがヒロイン役には尻込みしてしまっていた。そんな中、柊は深月を勧誘するが…。

甲斐に対してどう接したら良いかわからず、保健室に避難した摩央。そこで、授業をサボタージュ中の瑛理子と再会した摩央は、彼女に「自分のことが良くわからない」とぼやいてしまう。そして放課後、一輝は瑛理子の味覚を試すため、彼女をとんでもメニューのあるラーメン屋と、なるみの実家のうどん屋「里なか」に誘い…。

校内水泳大会で活躍する明日夏は、はりきりすぎたせいで大会中に足をつってしまった。そして、回復しないまま最後のリレーに出ようとする明日夏だったが、結果の見えた勝負は「やるだけ無駄」だと瑛理子から言われてしまう。そんな彼女に対し、「やってみなければわからない」と応える明日夏。果たして、その結果は…!?

光一を意識して、彼に対する態度がどこかギクシャクしてしまう摩央。そうとは知らず彼女の様子を心配した光一は、街で偶然出会った甲斐に相談する。そんな中、気持ちを切り替えて甲斐とデートに出かけて、元気を取り戻した摩央だったが、彼に光一が相談していたことを知り、憤然として帰宅する。自宅にいた光一は…。

摩央や結美たちを加えた映画研究部一行は、映画のロケハンで深月の家を訪れた。その広大な屋敷と深月のもてなしに圧倒される一同。そんな中、なぜか沈みがちな結美を心配する光一。そして昼食後に行われたかくれんぼで、恋愛に憧れる深月の想いを知る摩央。同時に、自分の想いが揺れ始めていることに摩央は気づき…。

夏休み直前だというのに様子のおかしい結美を心配する光一。そんな彼の姿を見た摩央は、言い知れない想いに駆られつつも、お姉さんとしての恋愛のアドバイスを忘れないのだった。一方、深月の家で瑛理子と急接近できた一輝はテンションが高く、放課後の明日夏との個人練習で動きのキレの良さを発揮するが…。

一学期最後の日。結美の協力を得て、シナリオを書き上げた光一。一方、怪我をしてしまった明日夏に、その責任の半分は自分にあると、色々と彼女を気遣う一輝。その負傷した時の一輝の行動力や心遣いに対して、彼のことを頼もしく感じるようになる明日夏。そんな中、結美から衝撃の告白を受けた光一は…。

夏休みに突入し、光一は結美との思い出作りのため、積極的に行動を始めた。その事情を知った摩央は、微かな心の痛みに耐えながらも2人の世話を焼く。一方、次のサッカーの試合でサブメンバーに選ばれた一輝は、瑛理子の誘いをやむなく断ってしまう。そんなやる気になった一輝の姿を明日夏は少しまぶしく感じて…。

光一たちの映画制作がいよいよ始まった。それは、菜々やなるみ、深月も手伝ってのにぎやかな撮影だった。しかし、ヒロイン役の演技に慣れず、なかなかうまくいかない結美。その責任を感じた結美は、光一と一緒にヒロイン役を摩央に再度頼み込む。そんな2人に頼まれた摩央は、あることを条件に渋々と承諾して…。

摩央をヒロイン役に迎え、映画研究部の撮影が始まった。一方、怪我の治った明日夏は、一輝との練習を再開する。だが練習中、一輝が瑛理子からの連絡を気にかけてばかりいたため、苛立つ明日夏。その帰り道、瑛理子と出会った明日夏は、一輝と彼女の「実験」を知り、一輝の真剣な想いを弄んでいると瑛理子を非難するが…。

瑛理子に「実験」の終了を告げられ、打ちひしがれる一輝。それは恋心とともに、孤独な瑛理子と仲良くなりたいという想いが芽生えていたからだった。一方、結美との時間を楽しむ光一の心の隅には、摩央の異変が引っかかっていた。そんな光一のことをいつでも考えてしまう摩央の心には、幼い頃の光一との思い出がよぎり…。

甲斐に本当の気持ちを伝えた摩央。そのまま雨の中を帰宅した彼女は、風邪を引いて寝込んでしまった。何も知らず、心身ともに落ち込む摩央を気遣う光一。一方、結果として一輝と瑛理子を引き離してしまった明日夏は、彼への想いに気づきつつもそのことを悔やんでいた。そんな明日夏は、2人を引き合わせるが…。

新学期になり、輝日南高校では学園祭の準備が本格的に始まっていた。だが、摩央の気持ちを知った光一の心は重かった。そんな光一を気遣う結美。一方、一輝と瑛理子の「人は何故人を好きになるのか」を知るための実験は、終わりを告げていた。瑛理子への想いを断ち切れない一輝は、理科準備室を訪れるが…。

自分の気持ちを抑えられない摩央は、映画の撮影中にも現実の想いが交錯してしまっていた。そんな彼女を優しく諭す甲斐。摩央との別れを経て、彼もまた大きく成長していたのだ。そして、摩央はある決心をする。一方、一輝は瑛理子に拒絶されながらも、必死に彼女の心を開こうと努力していて…。

瑛理子に自分の想いを自分の言葉で伝えることができた一輝。瑛理子もまた彼の心を受けとめた。瑛理子と仲直りをし、学園祭当日のサッカーの試合でも先発出場を決めた一輝は上機嫌。だが、そんな2人の様子を見た明日夏の心は穏やかではなかった。一方、光一の家を出て行くことに決めた摩央は、引越しの準備を始めるが…。

一輝への想いが高まっていた明日夏は、部活動でも学園祭の準備でもミスばかりをしていた。その想いに気づかない一輝に対して、瑛理子の方は彼女の苦悩に気づき始めていた。そんな中、保健室で久々に出会った摩央と瑛理子。かつて自分のことでわからないことはないと答えた瑛理子は、不可解な自分の心に戸惑っていて…。

学園祭当日。それは結美が輝日南高校で過ごす最後の時間でもあった。わずかな時を惜しむように結美と共に校内を廻る中、光一は摩央のことが気にかかっていた。一方、明日夏はサッカー部の対校試合で対戦した相手校の監督から、女子リーグの関東選抜の合宿に誘われる。それを自分のことのように喜ぶ一輝に明日夏は…。

学園祭の最中、忘れ物を取りに行った光一は甲斐、そして光一を待つ結美は摩央とそれぞれ遭遇した。一方、約束の時間になっても現れない瑛理子を探す一輝。人を好きになる心を知った瑛理子は、傷つくことを怖れて彼を避けていたのだ。その学園祭が終わりを告げる花火の下、誰もが本当の気持ちに辿り着こうとしていた…。