雪ノ下中学の二年生、有原あゆみは、男の子から愛の告白をされることを夢見ていた。その願いはある日、最悪の形で叶うことになった。野獣のような風貌の高校生である財津操から告白されてしまったのだ。操が恐ろしくて断る勇気を持てない中、同級生の財津衛を好きになってしまうあゆみ。だが彼は、あの操の弟だった…。

二つ年上の幼馴染み、山本岬に想いを寄せていた財津衛。そんなある日、衛が岬に片思いをしていると知り、恋を成就させるための作戦会議を開こうと同級生の楠田が財津家に押しかけてくる。そこに当の岬が現れた。あゆみへの恋に悩む衛の兄の操が、岬に相談を持ち掛けたのだ。二人の会話に耳を澄ます衛だったが…。

江ノ本慧は、体育祭で同級生の楠田と一緒に応援係を担当することに。責任感の強い彼女は準備に奮励努力するが、お調子者の楠田にイライラさせられっぱなし。体育祭前日、一人チアガールの衣装を作っていた慧は、疲れ果ててつい眠ってしまう。ミシンの音に目を開いた彼女が見たのは、黙って衣装を縫う楠田の背中だった…。

兄の良彦のことが大好きな別所小宵。だが良彦は同級生の山本岬に恋焦がれていた。父が出張で不在のある日、今宵はチャンスとばかりに(!?)、兄に新婚夫婦のように接しようとする。そんなところに、岬から良彦を呼び出す電話が掛かってくる。「お兄ちゃんにカノジョ!?」小宵は浮かれて出掛ける良彦を尾行し始めて…。

メガネで委員長で巨乳な女子高生の渡瀬めぐるは、水泳部の武居から廃部寸前の水泳部に入って欲しいと口説かれていた。実は彼女はオリンピック候補に選ばれたほどの水泳の才能の持ち主だったが、大きな胸に注目を浴びることにコンプレックスを抱えていたのだ。密かに恋している武居の頼みに、やがて意を決しためぐるは…。

曽我部の発案で、クリスマスイブにパーティーを開くことになった。プレゼントを持ち寄り交換することにするが、慧はその夜、楠田へのプレゼントを何にしようかと考えている自分に気づき、戸惑う。翌日、街に出た慧は、プレゼントを物色中の楠田とはち合わせ。彼が手にした手袋を、慧は思わず「ダサい」といってしまい…。

二学期最後の日の放課後、テニス部の土橋りかと寺井春人は一緒に歩いていた。夏の部活時、部のお荷物扱いされながらもテニスの練習を頑張り続けた寺井をりかが応援し、やがて二人はつき合うようになったのだ。だが、そっけないりかの立ち振る舞いに、未だに手も繋げずにいる寺井は焦っていた。一方、りかもまた…。

放課後の美術室で、名央は桜の絵を描いていた。そこに訪れたOBの連城由紀人。名央が惹かれ、見つめ続けてきた、美術室に飾られた桜並木の絵の作者だった。その日から名央は、由紀人の指導を受けながら、絵を一緒に描くことになる。「永遠にこの絵が完成しなければいいのに」と名央はいつしかそう願うようになるが…。

巨乳な演劇部長の不動宮すみれが、芝居の河童役に楠田を突如スカウトした。すみれにデレデレな楠田の前では強がってみせたが、思わぬ強敵の出現に、内心動揺しまくりの慧。その頃、めぐるの前にも一方的に彼女をライバル視する新入生の久間菜の花が現れた。そんな悩める慧とめぐるが街で偶然鉢合わせをして…。

慧とは釣り合わないというコンプレックスゆえ、彼女の前から逃げ出した楠田。彼は「生まれ変わる旅」と称し、恋に破れた曽我部と衛を誘って自転車で家出した。だが目的地も計画性も資金もない道中は苦難の連続。一方、あゆみは衛を病欠かと思い、慧たちと見舞いに赴く。そして衛の兄である操に衛たちが家出したと聞き…。

逃避行中の楠田、曽我部、衛。彼らを追う慧、名央、あゆみ、そしてなぜか小宵。そして彼女たちを追っかける良彦、有二、操。海辺に辿り着いた楠田たちは、波に向かって思いを打ち明ける。「大好きなんだ、江ノ本ー！」楠田が叫ぶと、「それ、ホント？」と尋ねる声が聞こえた。振り返ると、そこには慧たちの姿が…。