Episodios 12
蘇えりし者、夜に嗤う
上海の空、静かな闇夜に輝く満月。その光を縫うように、一人の青年が歩いていた。名をユーリィ。仲間たちと合流し、群れとなった彼らが向かう先は、胡乱な館。そこで催されている宴を饗しているのは、吸血鬼(ヴァンパイア)だった……。館に侵入し獲物を屠る彼らは、自らを「狩人」と呼ぶ。日本へと渡航した一行はV海運を名乗り、秘密裏に吸血鬼(ヴァンパイア)の動向を探る。折しも巻き起こる凶悪な事件の数々。その点が一本の線になった時、「天狼」が牙を剥く――。
Leer más咆哮の宴
ビショップの突然の裏切りが、ユーリィを揺さぶる。彼はヴァンパイアだった……。そんな彼を「信じる」と断じ、ふたりは再度共闘関係を結ぶことに。だが、そこに立ちはだかったのは――ミハイル。その瞳は紅く、ユーリィを躊躇なく襲う。匣を奪われ、命まで奪われかねない状況に、ユーリィはかつての会話を想起する。「お前の手で俺を殺してくれ……」。その言葉どおりの展開になりかけた刹那、狂気の瞳に理性の光が再び灯る。彼は自らウィルスに感染し、血の盟約から逃れたのだ。そしてミハイルは吐露する。ユーリィに対する、積年の想いを――。
Leer más天狼の匣
匣を取り込みながらも、その力に飲まれ、異形へと姿を変えてしまったエフグラフ。そんな彼に対しユーリィは「吸血鬼だって救ってみせる」と言い放つ。奇しくも同じ目的のために繰り広げられる男たちの闘い。ついに、運命の天秤はユーリィへと傾いた。そして、彼は静かに最期の刻を迎えようとする兄に誓う。「匣とともに生き、新しいシリウスの誇りを示す」と。その表情は晴れやかだった……。ユーリィの旅は続いていく。彼は真に匣を持つ資格のある者。世界を守り、繋ぐ者。願わくはその道筋に調和と平穏のあらんことを――。
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